PHP7に変更するだけで表示速度は早くなるか?エラー解消法も
ユーザーの利便性を考え、Web サイトの表示速度を少しでも早くしようと力を入れている方が多くなりました。表示速度を改善する方法はたくさんありますが、その一つに PHP のバージョンを上げるということがあります。
例えば PHP7 は PHP5 と比較するとパフォーマンスが大幅に強化されたことにより、その実行速度が2倍以上になると言われています。WordPress など PHP を使用しているサイトであれば、表示速度アップに貢献する可能性があるのです。
今では多くのレンタルサーバーで PHP7 が利用できるようになりましたが、「本当に PHP7 に変更すれば速度が早くなるのか?」と思われている方も多いでしょう。そこで当サイトを PHP5.6.30 から PHP7.0.16 へ切り替え、表示速度や読み込み時間に変化があるのかを検証してみることにしました。(使用サーバーはエックスサーバーです。)
エラーが起きないようにチェックすること
PHP のバージョンを切り替えるのはサーバー管理画面から簡単にできます。しかし切り替えるだけではエラーが表示されたり、サイトが真っ白になり表示されなくなってしまうことがあります。そのため事前に下記のことをチェックしてください。
プラグインが PHP7 に対応しているか
WordPress などでプラグインを使用している場合、そのプラグインが PHP7 に対応していないと動かなかったりエラーが出る可能性があります。特に暫く更新されていないプラグインは対応していないことが多いので事前にチェックしておくことをお勧めします。
PHP7 に対応していいるかのチェックは『PHP Compatibility Checker』というプラグインを使用することで可能です。これについては下記のページでご紹介しておりますのでご確認ください。
キャッシュ系プラグインの停止
エックスサーバーの場合は PHP7 にすると、キャッシュによる高速化と負荷軽減効果を持つ拡張モジュール「OPcache」が標準で有効になります。そのためキャッシュ系のプラグインを使用している場合、PHP7 に切り替えるとエラーが表示されたりサイトが表示されなくなってしまいます。
当サイトでも真っ白になって表示されなくなってしまいました。この場合は一旦 PHP5 に戻して WordPress 管理画面に入り、キャッシュ系プラグインを全て停止させてください。サイト表示速度向上のために『w3 Total Cache』などを使用している方も多いと思いますが、PHP7 に切り替える前に停止させておくことをお勧めします。
確認したら PHP7 に切り替えて速度を検証してみましょう。
PHP7 に変更して速度は早くなるのか検証
PHP7 に切り替える前と切り替え後の読み込み速度などを『GTmetrix』『Pingdom』『Google PageSpeed Insights』を使用して確かめてみました。
▼ GTmetrix
▼ Pingdom
▼ PageSpeed Insights
当サイトを PHP7 に切り替えてみた結果、読み込み速度が劇的に早くなるという感じではありませんでした。ただしページサイズやリクエスト数は少なくなっていることから、エックスサーバーにおいては PHP7 に切り替えることでマイナスにはならないかと思います。
画像の数が多く、画像サイズが重い場合は速度を上げるのにも限界があります。また AdSense のような広告も読み込み速度を遅くする原因になってしまいますので、速度を早くしたいのであれば画像や広告の数などのバランスも考えなければなりませんね。