友人とAdSenseアカウントを共有するリスクと譲渡について

友人とAdSenseアカウントを共有するリスクと譲渡について
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2019年12月28日 in YouTube, アドセンス
記事内にPR・広告が含まれる場合があります

こんにちは、Google AdSense 公式ヘルプコミュニティ エキスパートの竹中です。

「友達と一緒にブログを初めて収益化をしたい」
「YouTube チャンネルを友人と初めて収益を得ている」
「一つの AdSense アカウントを友人と共有している」

最近、友人と一緒にブログや YouTube への動画投稿を行っている方は少なくありません。それ自体は何の問題はないのですが、友人と一緒に運営しているブログや YouTube チャンネルを収益化している(アドセンスを使用している)、もしくは収益化しようと考えているのであれば注意すべきことがあります。

後々にトラブルにならないように、もし友人などの他人とブログやチャンネルを収益化される場合は一度目を通していただければ幸いです。

自分だけのブログやチャンネルを収益化したい場合

よくあるのが、友人と運営しているブログや YouTube チャンネルの他に、自分だけのブログやチャンネルを運営して収益化したいケースです。

「自分だけのブログやチャンネルの収益を友人には見られたくない」という理由で、自分専用のアドセンスアカウントを作成されようとする方がいらっしゃいます。

もし友人と一緒に運営しているブログやチャンネルの収益化を、あなたの名義で取得したアドセンスアカウントで行っている場合には、あなただけのアドセンスアカウントを追加で作成することができません。

アドセンスには「アドセンスアカウントは一人一つだけ」というルールが存在するためです。もし追加で取得しようとしても重複アカウント(複数アカウント)として不承認となります。状況によっては既に取得済みのアカウントにまで影響を与えてしまうことがあるため、絶対に追加で取得しようとするのはやめましょう。

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自分専用のアドセンスアカウントは作成できない?

上記の通り、あなたの名義で取得したアドセンスアカウントを共有している場合、基本的には追加でアカウントを取得することができません。この問題を解決するには下記の方法が考えられます。

  • 友人に見られることを諦める
  • 友人をアドセンス管理画面にログインできないようにする
  • 法人等を設立して自分だけが管理できるアドセンスアカウントを取得する

友人に見られることを諦める

自分だけが管理するサイトのデータだけ友人に見られないようにすることは残念ながらできません。解決策になっていませんが、友人に見られることを諦めるのも一つの手段です。

友人をアドセンス管理画面にログインできないようにする

友人に事情を説明してアドセンスの管理画面にログインできないようにしましょう。一つの Google アカウントを使用して ID とパスワードを共有している場合はパスワードを変更する。ユーザーを追加してログインできるようにしていた場合はユーザーを削除します。

困るのは一緒に運営しているサイトやチャンネルの収益がいくらなのか友人に伝える方法ですよね。[レポート]>[サイト]でサイト毎の収益が確認できますので、その画面のスクリーンショットを撮影して伝えることは可能だと思います。画像加工はしていないと友人に信用してもらう必要はありますが・・・。
サイトごとのレポート

またレポートは見積もり収益で確定したものではありません。そこから数パーセント程度、無効なクリック等による収益が減算されたものが支払われるわけですが、これは自分が負担するか別のサイトとの収益との割合で按分するしかありません。

YouTube の場合は、クリエイターツール内の[アナリティクス]から推定収益をチャンネルごとに確認できますね。一緒に運営している YouTube チャンネルには友人もログインできても問題ありません。チャンネルへのログインや管理はアドセンスへのログインと関係がないためです。※チャンネルはブランドアカウントで運営しましょう。

友人にもアドセンスアカウントを取得してもらう

上記では収益を友人と自分で分けるという方法ですが、Web サイトの場合であれば別の方法があります。

まず友人にもアドセンスアカウントを取得してもらい、広告コードも友人に作成してもらいます。そして Web サイトで広告が表示される割合を、自分の広告と友人の広告で半々にするという方法です。(もちろん友人との取り決めで割合は変更すれば良いです)

そのように割合を変える機能はアドセンスにはありません。アドマネージャーを使用すれば可能だと思いますが、難易度がとても高いツールです。割合を変える程度であれば php などでも可能ですし、WordPress であればプラグインもあります。「WordPress 広告ローテーション」などで検索してみてください。

完全に収益が半々になることはないでしょうが、ある程度 PV があるサイトであればバランスが取れると思います。

※既にアドセンスアカウント取得のために審査を受け合格したサイトは申請できない可能性があります。そのため友人には既に収益化しているサイト以外で審査に合格する必要があります。

※もし一緒に運営しているサイトに重大なポリシー違反があった場合、自分も友人もアカウントが停止になるというリスクがあります。

法人等を設立して自分だけが管理できるアドセンスアカウントを取得する

共有のアドセンスアカウントは今のまま友人にもログインできる状態にしておきたい。且つどうしても自分だけが管理できるアドセンスアカウントを所有したいのであれば、法人等を設立して法人名義で申請を行うことは可能です。ただお金も手間もかかりますので、それ以上に収益を上げられる自身がある方向きです。

友人名義のアドセンスアカウントを使用している場合

共有しているのが友人名義のアドセンスアカウントである場合は、あなた専用のアドセンスアカウントを取得することが可能です。ご自身の Web サイトや YouTube チャンネルを用意してアドセンスに申請を行いましょう。

アドセンスアカウントの譲渡は不可

中には共有しているアドセンスアカウントを友人に譲渡し、自分だけのアドセンスアカウントを取得したいと思われる方もいらっしゃいます。お支払い受取人の情報や銀行口座を友人の情報に変更してしまえばできる気がしますよね。

しかしながらアドセンスアカウントを譲渡することはできません。ヘルプページにも下記のように記載されています。

利用規約ではアカウントの所有権の譲渡は認められていませんが、つづりの間違いの訂正や、結婚、死亡、会社の合併などによる変更のために、お支払い受取人の名前を更新することは可能です

記載されているように、アドセンスアカウントの所有権の譲渡は認められていません。そしてお支払い受取人の名前も特別な事情がない限り行うものではありませんし、仮に受取人や銀行口座の名義を変えたとしても、そのアドセンスアカウントの所有者は登録した人です。

P.S. アカウントではなく Web サイトを譲渡する場合は下記ページの手順をご確認ください。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。