2019年にアドセンスで起きた変化まとめ&今後求められること
2019年、Google アドセンスでは今までにないくらい様々な仕様変更やポリシーの変更が行われました。注目を浴びた変更点やユーザーが対応しなければならないものだと下記のようなものが挙げられます。
- 広告ユニットの変更
- 紹介プログラム再開始
- トラフィックの品質による広告配信停止・制限
- 禁止コンテンツのポリシー変更
- 5か月以上広告が表示されていないとサイトの再審査が必要に
- 自動広告が新しくなった
- CCPAに対応する必要
- その他
どのような変更が行われたのか覚えていらっしゃるでしょうか?それぞれの内容と今後求められることについてご紹介いたします。動画でもご紹介しておりますので、お時間がある方はぜひご覧ください。
目次
広告ユニットの変更
今まで広告ユニットを作成する際、広告サイズを選択したり広告スタイル(色やフォントなど)を変更することができていました。しかし今年の変更によりレスポンシブタイプの広告が基本となり、スタイルもアドセンスに任せる形になりました。
「テキスト広告とディスプレイ広告」「テキスト広告のみ」「ディスプレイ広告のみ」から選択できていた広告タイプも指定できなくなり「テキスト広告とディスプレイ広告」のみが適用されるようになりました。名称も「ディスプレイ広告」に変わりました。
紹介プログラムの開始
アドセンスアカウントを所有していない方にアドセンスを紹介し、その方がアドセンスに申請・合格して一定期間内に一定の収益を上げれば、紹介者に報酬が与えられるというものです。
有効なアカウントの作成と開設から 30 日以内に目標金額(最低8,000円以上)を達成しないと報酬は得られないので、かなり厳しい条件ですね。8,000円を達成しても報酬は4,000円のみです…。
トラフィックの品質による広告配信停止・制限
2019年5月頃からトラフィック(アクセス)の品質が悪いと判断された場合に広告配信が停止、または制限されるようになりました。無効なクリックや無効なインプレッションが多いことで対象となります。
この制限はアカウント単位で発動するため、全てのサイトでの広告配信が停止・制限されるのが特徴です。この制限はトラフィックの品質が改善されたと判断されれば解除されます。
禁止コンテンツのポリシー
ポリシー関連で大きな変更がありました。AdSense、AdMob、アドマネージャーのコンテンツポリシーが整理され、今までポリシー違反とされていた一部の項目が「制限事項に該当するコンテンツ」となりポリシー違反ではなくなりました。つまり一部ポリシーが緩和されたということです。
ただし広告の配信が停止されてしまう厳しいものもありますし、制限事項に入っているようなものでも場合によっては配信が停止する可能性があります。制限事項のコンテンツだからと言って、そのようなコンテンツを意図的に追加していくようなことはお勧めできません。
5か月以上広告が表示されていないとサイトの再審査が必要に
審査に合格したサイトであっても、広告コードが読み込まれていない状態や広告が表示されていない状態が5ヶ月以上続くと、そのサイトが「サイトリスト」から削除されてしまいます。
つまり、もしそのサイトで再度広告を表示したくても再審査が必要となってしまうのです。4ヶ月以上非アクティブな状態が続いた段階でアドセンス管理画面に警告が表示されます。猶予は1ヶ月程度なので速やかに広告コードを貼りましょう。
自動広告が新しくなった
自動広告に関しても大きな仕様変更があり、今までよりも随分と自動広告の管理・コントロールができるようになりました。
新しい自動広告では事前にページのどこに広告が表示されるのかをプレビューで確認できたり、表示したくない場所に広告が表示されたら削除できるようになりました。さらに広告の数をコントロールできたりするなど、以前よりも使いやすくなったのが特徴です。
CCPAに対応する必要
CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)の影響で、アドセンス利用者は「制限付きデータ処理」に関して対応が求められるようになりました。
カリフォルニア州のユーザーに対してもパーソナライズド広告を表示するか否かの設定が必要です。「カリフォルニア州のことだから自分には関係ないよね?」と思われている方もいると思いますが、必ずしもそうではありません。必ず確認をするようにしてください。
その他(複数アカウントや PIN の確認について)
上記以外にも細かい点で様々な変更等がありました。例えばアドセンスに申請される方や初めて間もない方からの質問が多い「複数アカウント(重複アカウント)」や「PIN の確認」についてです。
以前までは複数アカウントがどうしても解消できなかった場合に専用の窓口がありましたが、現時点ではその窓口がなくなってしまいました。そのため複数アカウントになって解消できない場合、現状では解決手段がありません。特に YouTube で収益化されている方が、2つ目以降のチャンネルを収益化する際に、誤って新規でアドセンスアカウントを申請してしまい重複状態にしてしまう方が多いです。
また住所確認のための PIN 発送が最大3回だったのが4回となりました。それに伴い、以前までは身分証明書等による手動確認を依頼する窓口がなくなりました。
2020年はどうなる?今後求められること
個人的に、2019年にあった変化の中では自動広告の変更が大きなニュースだったと感じています。自動広告は導入当初、広告が意図しない場所に表示されるなど良いイメージを持たない人も多かったわけですが、ある程度コントロールができるようになり便利になりました。
まだ完璧ではありませんが今後精度はもっと高くなっていくでしょうし、いずれは手動広告がなくなったり制限され、自動広告のみになってもおかしくないと感じています。「広告の配置等はある程度自動広告に任せて有益なコンテンツ作成に力を入れてね!」ということでしょう。
AMP を推奨する動きも活発です。AMP も批判的な意見が多いですが、ウェブマスター関連のイベントだけでなくアドセンスのイベントでも事例紹介などを含め積極的にアピールしています。ユーザー体験が良くなるように AMP を含めサイトの高速化や操作性・サイト構造を改善していくことも求められると思います。
また現状では広告の設置数に制限はありませんが、無駄に広告を表示させることは望んでいません。ユーザーにとって目障りになりますし、広告主にとっても好ましくありませんね。広告はアクティブビュー視認率を改善したり、必要以上に広告を設置しないことにも気をつけなければなりません。