実体験!学生起業は友達とすると失敗する5つの理由と対策
今では学生の時に起業するというのが珍しいことではなくなってきましたね。起業を推奨したり支援したりする学校も多くなっていると聞きます。「自分でビジネスを行って稼ぎたい!」「自由に生きたい!」「就職するのは嫌だ!」など理由は様々でしょうが、起業を目指そうとしているのであれば一つ注意してほしいことがあります。
それは、友達と一緒に起業すると失敗する可能性が高いということです。
特に学生であれば、仲の良い友達や気が合う友達と起業話で盛り上がることもあるでしょう。勢いで起業してしまうという方も多いのですが、友達との起業はお勧めしません。私自身も大学生の時に友達と起業してうまくいかなかった体験もしています。知人がその友人と起業して失敗したケースも見てきました。
学生だけに限ったことではありませんが、友達と起業すると失敗するというのは様々なところで言われています。私自身も起業してから、本当にたくさんの人達からそのことを聞かされました。その時は「仲が良いしそんなことはない」と考えていました。でも仲が良いとかの問題ではないのです。
もちろん友達となら絶対に失敗するというわけではありません。ですが、失敗する可能性は高いのは事実でしょう。なぜ失敗しやすいのか、またどうしたら失敗しないで成功へ向かうことができるのかを実体験を踏まえてご紹介致します。
目次
友達と起業すると失敗する理由と対策
1.上下関係ができる
会社をつくって起業するのであれば、当然「代表者」というのを決めなければなりません。法人の場合であれば特に「代表取締役」であるとか「社長」という肩書きが付きます。誰が代表取締役であるかなどは法人を登記する際に決めなければならないことであり、法律的にも責任がかかるものです。また何株ずつ保有するかなど、株式数によって法律的に決定権が異なってきます。
法律的なことに縛られることなく「皆が平等だ!」と言っていても、やはり誰かが代表となり会社を運営していくわけなので、社会的な上下関係はできてしまいます。また誰かがリーダー的な立場に立って指示を出したり引っ張っていくことになるため、実務的な面からも上下関係ができます。
例えば支持する側が全く悪気がなくても、支持された人にとっては気持ちが良くなかったり、反抗的な気持ちが芽生えたりするものです。「友達なのに何でそんなに言われなきゃならないんだ」ということになってしまうのです。
2.メリハリ・緊張感が少ない
特に学生起業となると、最初の頃は仕事とプライベートのメリハリや緊張感が少なく“なあなあ”な感じになってしまいがちです。まだ卒業していないとなると学校の勉強やイベントもあるため、仕事に集中できないこともあります。周りからもチヤホヤされることも多く、シビアな感じがあまりないかもしれません。
友達同士の場合、一緒になって“なあなあ”な感じになってしまうと仕事が進みません。せっかく受注出来た仕事も、しっかりとやらないと信頼も失ってしまう十分に気をつけてください。
3.相手を過信する
きっと一緒に起業した相手のことは信頼もしているでしょうし、仕事に対する実力もあると思っていることでしょう。実際にお互いが信頼し実力もあるのだと思いますが、相手を過信するのはよくありません。
例えば何かすべきタスクができたとき、「友達がやってくれるだろう」「友達の実力なら余裕だろう」と過信して任せてしまうと、もしそれが友達にとって難しかった場合に、タスクが遅れたり完了しなかったり失敗してしまうことがあります。
4.相手と意思疎通ができていると思い込む
上記の「相手を過信する」と重なる所がありますが、仲の良い友達だから意思疎通ができていると思い込んでしまうのは良くありません。これは友達に限ったことではありませんが、信頼関係ある人同士だと「相手は自分のことを分かってくれている」「自分も相手のことを理解している」と思ってしまいがちです。
プライベートのことであれば、多少意思疎通ができていなくても大きなトラブルにはならないでしょう。しかしビジネスにおいては、意思疎通がしっかりと取れていないと大きなトラブルになる可能性があります。お金が絡んでくるビジネスの世界では、ちょっとしたミスが大きな事態に発展してしまうので、「相手の言いたいこと・望んでいることをちゃんと自分が理解しているのか」「自分の意見は相手に伝わっているのか」をしっかりと確認することが大切です。
5.やりたいことが異なるようになる
起業したての頃は事業を軌道に乗せることを目標に、気持ちも一つになって一生懸命進むことができます。しかしある程度軌道に乗せることができ、次に何をするか・将来どのような方向に向かってビジネスを展開するかという場面になった時、お互いがやりたいこと・求めるものが異なる可能性があります。
最初は起業すること自体がお互いのやりたいことであり目標であるため、大きなトラブルもなくスムーズに進めることができます。しかし起業して起動に乗るようになれば、それぞれ異なる想いが出てくるものです。特に「起業したい」と思うタイプの人間は、それぞれ個性的な考えを持っていたり自我が強かったりします。その為「自分はこうしたい」という想いが強くなると、それぞれの意見が対立してしまう可能性が高くなります。
私の場合は「事業規模は大きくせずコツコツと堅実に」というタイプで、一緒に起業した相方は「事業を大きくして上々も目指したい」というタイプだったと思います。タイプや考え方が違うことが悪いのではありませんが、一つの会社として方向性を決めなければならない時にどうしても対立してしまいます。
当時、私たちはそれぞれの道に進むことにしました。相方のことが嫌いになったわけではありませんし、実力もある尊敬できる人です。今でも頑張って欲しいと思っています。そう思える友達だったとしても、一緒に起業するというのはとても大変なことなのです。
失敗しないで成功へ向かうために
どれだけ気をつけていても人同士のことなので、必ず意見が衝突したり思うように物事が進まなかったりすることはあります。そのような時でもバラバラにならないようにするには、最初から「もし意見が衝突した時はどうする」ということを決めておくことです。例えば「代表者の意見を尊重する」「多数決にする」「第三者の意見を聞く」などです。
またどんな時でも冷静になり、必ず全ての人の意見や想いを聞いた上で自分はどうしたいのかを伝えることです。一方的に自分の意見を通そうとしてはいけません。これは当たり前のことだと思われるでしょうが、当事者となるとなかなか相手の意見を受け入れることができなくなってしまいます。十分に気をつけてください。
あえてバラバラで起業する
友達と“一緒”に起業するのは失敗する可能性が高いのですから、一緒に起業しなければ良いとは思いませんか?私自身も今は個人企業として基本は一人で仕事をしています。
それぞれが起業をし、特定のプロジェクト(仕事)だけを一緒に行うというスタイルの方がうまくいきます。基本は自分が目標としていることや理念に従って仕事を行い、協力し合えるところは協力するという感じです。これであれば、もし衝突するようなことがあっても一時的に距離を置けば良いだけです。一緒に起業をして共倒れという事態は防ぐことができます。
またそれぞれが代表としての自覚を持ち、相手に頼らず仕事をした方がビジネスもスムーズに進むことがありますし、自由に自分のビジネスを行っていけます。もし友達と起業することを考えているのであれば、あえてバラバラで起業をするという手段も検討してみてください。