ポリシー更新や広告単価への影響等、YouTube&AdSense 最新情報(2021年10月)

(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2021年10月27日 in YouTube, アドセンス
記事内にPR・広告が含まれる場合があります

今回は2021年10月現時点での AdSense と YouTube の最新情報をご紹介していきます。ポリシーの更新や収益に関わる変更、機能的なアップデートなど様々な最新情報がありますので、それぞれ簡潔にご紹介していきます。ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

AdSense の最新情報

気候変動に関する広告と収益化に関するポリシーの更新

まずは気候変動に関する広告と収益化に関するポリシーの更新についてです。これは YouTube も関わる内容ですが、広告主のブランドを保護することを目的とした取り組みの一環として、気候変動に関する不正確な主張をするコンテンツに対しての収益化が禁止されます。適用されるのは2021年11月8日からです。

どのようなコンテンツが問題になるかと言うと、気候変動に関して科学的に十分評価された内容と矛盾するようなものです。

例えば

  • 気候変動は捏造された情報だと主張するようなもの
  • 地球温暖化はしていないと主張するようなもの
  • 気候変動は温室効果ガスの排出人類の活動とは無関係だと主張するようなもの

などが考えられます。

違反しているかどうかは、自動ツール及び、人間による審査を組み合わせてモニタリングされ、ポリシー違反が発見された場合は罰則が適用されるとのことです。

ファーストプライス オークションへの移行

次は AdSense のファーストプライス オークションへの移行についてで、収益の広告単価に影響がある内容です。

AdSense の収益の重要な要素である広告単価は、広告主が広告費用をオークションにかけることで決まっています。このオークションの仕組みが、今まで「セカンドプライス方式」というものでしたが、年内に「ファーストプライス方式」に移行が完了します。

セカンドプライスとかファーストプライスとか意味が分からないと思われる方がほとんどだと思います。

今までのセカンドプライス方式は、オークションで落札者の入札額が支払われるのではなく、二番目に高い入札額が支払われるというものです。

例えばA社が一番高い入札額の1,000円、B社は二番目に高い入札額の50円だった場合、A社が広告を掲載できる落札者となりますが支払う金額は二番目に高い入札額の50円+1円となります。二番目に高い入札額が基準となることからセカンドプライス方式と呼ばれています。

一方今回公表されたファーストプライス方式は、一番高い入札額を付けた落札者が、自身が付けたその入札額を支払うものです。先程と同じ例であれば、A社が1,000円の入札額を付けていたので、A社が広告を掲載できる落札者となり支払う金額も1,000円です。二番目移行の入札額は関係がなくなります。

そのためサイト運営者などのパブリッシャー側にとっては、若干収益がプラスに働く可能性があります。

今回の移行によって影響を受ける AdSense サービスは「コンテンツ向け AdSense」「動画向け AdSense」「ゲーム向け AdSense」です。既にアド マネージャーや AdMob はファーストプライス方式に移行済みです。

またファーストプライス方式に移行しても、特に必要な対応はなく、広告掲載の手順なども今までと変わりません。広告フォーマットにも影響はありません。

YouTube の最新情報

2段階認証が必須

2021年11月1日から、収益化している全てのチャンネルで2段階認証が必須となります。2段階認証を設定していないと YouTube Studio にログインすることができなくなります

また2段階認証を設定していないと、収益化の申請を行うこともできない可能性があります。以前は2段階認証を設定していないと「審査に通常よりも時間がかかる可能性がある」と記載されていましたが、今はその表記がなくなり「まずは、Google アカウントで 2 段階認証プロセスが有効になっていることを確認する」と記載されているためです。

アカウントやチャンネルの乗っ取りを防ぐために有効な手段ですので、収益化をされていない方も是非設定されることをお勧めいたします。なお2段階認証を設定する手順はこちらのページでご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。スマホからでも設定ができます。

コミュニティ機能がチャンネル登録者500人以上で

次は前回もご紹介しましたが、コミュニティ機能がチャンネル登録者500人以上で使用できるようになりました。

チャンネル登録者500人以上であれば、10月12日からコミュニティ機能が使用できるようになっています。視聴者とのコミュニケーションを取るのにも最適な機能ですので、まだ使用したことがない方は確認してみてください!

カスタム サムネイルの上限

次はカスタム サムネイルの 1 日の上限についてです。適用自体は9月からされていたようですが、1日にカスタムサムネイルをアップロードできる数に上限が加えられました。

アップロードできる具体的な数は公表されていませんが、国や地域、チャンネルの履歴、著作権侵害やコミュニティ ガイドラインの違反警告も上限に影響を与えるようです。

もし、サムネイルをアップロードする際に「カスタム サムネイルの 1 日の上限に達しました」というエラーが表示された場合は、24 時間経過後に再度試してみてください。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。