【YouTube攻略】2023年に重要となる3つの要素とは

2023年に YouTube チャンネルを成長させる重要な3要素
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2023年01月19日 in YouTube
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今回は2023年以降に YouTube でチャンネルを成長させたり、収益を得ていくために重要な要素をご紹介していきたいと思います。

実は2022年12月中旬に Google のシンガポールオフィスで開催されたプロダクトエキスパートサミットというイベントに招待され参加してきました。そこでは YouTube を含め、Google プロダクトの現状や未来について様々な内容を聞いたり議論を交わしました。
Google シンガポールオフィスの YouTube

サミットの内容そのものを直接公開することが禁止されているので、私が感じたことをベースに3つお話していきます。

1. YouTube ショート推し

昨年までの YouTube の動向を見ても、YouTube がショート動画を推していることは皆さんも感じているかと思います。先日もご紹介しましたが、今年の2月1日からは、ついにショート動画でも広告が表示され広告収益を得ることができるようになり、Super Thanks による投げ銭も順次実装されて視聴者から支援をしてもらうこともできるようになります。

また YouTube ショートが導入された当初は、従来の動画とショート動画を同じチャンネルに投稿すると視聴者層がぐちゃぐちゃになり悪影響を受けるのではないかと懸念している方も多かったです。チャンネルの動画一覧でも従来の動画とショート動画が一緒に表示されていたので、チャンネルの統一感や見栄えも損なっていました。

しかし今は[動画]タブとは別に[ショート]タブが表示され、別々に動画一覧が表示できるようになっています。ショート動画メインで視聴してくれているユーザーに従来の動画が積極的に表示されることも少なくなり、従来の動画とショート動画との棲み分けも可能となってきている印象が強いです。
[動画]タブとは別に[ショート]タブが表示

ショート動画によって今までリーチすることができなかった視聴者層を獲得することもできます。例えば、YouTube Studio のアナリティクスの[視聴者]タブの画面で「未登録」よりも「チャンネル登録済み」の割合が多いのであれば、新しい視聴者を呼び込む手段としてショート動画を使用してみるのもありです。

視聴者の割合

ショート動画はエンタメ系が多い印象が強いですが、ハウツーや教育、ファッション、ビジネス、芸術系など様々なジャンルでも活用されてきています。まだ投稿したことがない方は、自分のチャンネルでもショート動画を活用できないか検討してみてください。

2. テレビでの視聴を意識する

YouTube 対応テレビで観る

昔はパソコンで視聴することが多かった YouTube の動画ですが、ご存知の通りスマホユーザーの普及により多くの方がモバイル端末で YouTube を視聴するようになりました。それに合わせて YouTube アプリの操作性なども日々改善されています。

しかし最近、モバイル端末での視聴だけでなくテレビで視聴するユーザーも増えています。それに伴い、テレビでも快適に視聴ができるように操作性の改善や機能の追加などが行われています。ショート動画もテレビで快適に視聴できるように適応されました。

YouTube 公式のブログや動画でも、何度もテレビへの最適化に関して投稿されており、テレビでの視聴を強く意識していることがわかります。

スマホで視聴しやすい動画を意識して作成されている方が多いと思いますが、動画の画質・音・テロップなどのサイズや色など、テレビでの見え方も気にする必要が出てくると思います。

またテレビでは家族や友人など、複数人で視聴する場面が多いと考えられます。私自身も家族で YouTube を視聴する時間がかなり長くなっています。家族とでも安心して視聴できる内容であることも重要ですね。

例えば暴力的なコンテンツやアダルト要素が含まれるようなコンテンツになっていないことはもちろんのこと、ショッキングな映像や下品な内容、不快に感じるようなコンテンツは今まで以上に避けるべきでしょう。

そのようなコンテンツは広告掲載に適さなかったり、ガイドラインにも抵触する可能性が高いです。今セーフだと判断されているようなコンテンツでも、厳しさが少し変わるだけでアウトになる可能性があるので、グレーゾーン狙いで投稿していくこともお勧めできません。

3. 濃いファンになってもらう

今まで以上に重要だと感じているのが、濃いファンを増やしていくことです。今回 Google のサミットでは様々な国のエキスパートやビデオコントリビューターの方とお話することができ、どのようなチャンネルを運営しているかも見せてもらいました。

海外の方も含め、どの方のチャンネルでも濃いファンが付いているのが印象的でした。なぜ濃いファンを増やすことが重要なのか、主に2つの背景があります。

差別化するのが難しい

まず、今後は動画の内容・情報だけでは大きな差別化が難しくなっていくためです。最近、似ているチャンネルが多い、もしくはどのチャンネルも似てきていると感じたことがないでしょうか?YouTube に参入する人が増えることで似たりよったりのチャンネルも増えてきました。情報や編集方法、使用しているBGMなども同じようなものばかりです。

よく「他のチャンネルとは異なる情報で差別化する」と言われることがありますが、自分にだけにしかない情報を公開し続けるというのは、ほとんどの人にとって難しいことだと思います。仮に自分にしか公開できないような情報であっても、その情報や編集方法は簡単に真似されてしまいます。つまり動画で何を伝えるかという情報や編集方法だけで、大きく差別化することが難しくなってきています

また AI の発達と利用による動画の増加も予想されます。昨年は AI による文章作成や質問への回答、画像作成が話題となりました。動画ですら AI で作成することも可能です。今後 AI を使用したコンテンツを YouTube に投稿する人も多くなってくると考えられるでしょう。

今まで以上に多くの動画が投稿されてきた場合、差別化できていなければ他のチャンネルの動画に埋もれてしまいます

あなたの動画やサムネイルを視聴者が見たとき「これは●●さんの動画だ」「●●チャンネルの動画だ」とすぐに認識してもらえるでしょうか?認識してもらえない場合、同じような情報を提供している他のチャンネルに簡単に浮気されてしまう可能性が高いです。チャンネル登録されにくかったり、登録解除されることも考えられます。

ちなみに、AI で作成されたコンテンツそのものが必ずしもダメだとは思いませんが、機械的に作成されたコンテンツは YouTube に好かれません。AI に作成させたコンテンツを利用するのであれば、情報の正確性や信憑性、ガイドラインに違反する内容が含まれていないかの確認はもちろんのこと、十分な独自性を含める必要があります。そうでなければ、再利用されたコンテンツや繰り返しの多いコンテンツとして収益化が難しくなると推測できます。

今後「AI を利用して簡単に稼ぐ方法」のような情報も増えてくると予想されますが、伝えられている情報通り実行してチャンネル停止や収益化停止になるリスクがないか、本当に大丈夫なのか慎重に検討してください。

収益の観点

2つ目の背景として、収益の観点からも濃いファンを増やすことが望ましいです。 広告収益は魅力的な収益源の一つでもありますが、景気や広告主の状況などによって単価が変わります。今までと同じように視聴回数を獲得できていても、得られる収益額が大きく減ることがあります。

YouTube の広告収益は Google 全体の収益からすると割合はまだ低く、検索広告やディスプレイ広告の割合が圧倒的に多いです。世間で YouTube が注目されているほど広告収益は多くない印象です。

まだ動画広告が伸びていく余地はあると思いますが、チャンネルの数や投稿される動画の数は膨大に増えているため、広告主の数や予算規模、景気の良し悪し、ジャンルによっては単価が下がる可能性があります。

そのため、以前から何度か触れてはいますが、広告収益に依存しない体制を整えていくことが重要です。特に YouTube からの収益で生活をしている方や、それを目指している方にとっては不可欠です。

YouTube はクリエイターが広告収益以外の収益も得られるように力を入れています。例えば Super Thanks や Super Chat のような投げ銭機能、チャンネルメンバーシップ、商品を販売できるストア機能などです。これらは広告と異なり視聴者自らお金を支払うため、ファンでない人が利用してくれる可能性は低くなります。
THANKS

例えば Super Thanks は少額であったとしても贈ってもらえるととても嬉しいものですし、お互いに強い繋がりを感じたり、今後も頑張ろうと思える活力にもなります。Super Thanks をオンにしていないチャンネルを見かけることがありますが、特別な理由がないのであればオンにすることをお勧めします。

広告収入以外の収益は YouTube 以外のサービスなどを活用することも問題ありません。外部のサービスやツールを使用してオンラインサロンを運営したり、アフィリエイトを行ったり、企業案件を受けたり、自分の商品やサービスを販売しても構いません。

ただ重要なことは「あなたが紹介するなら購入したい」「あなたと交流したいからオンラインサロンに入りたい」と思ってもらえていることです。自分のことを信頼・信用してもらえていなければ、収益につなげることは難しいです。

ファンになってもらうため、自分のことを信頼してもらうために何か行っていることはあるでしょうか?例えば、視聴者からのコメントには目を通して返答をしたり「いいね」を付けたりしているでしょうか?コメント欄は視聴者とコミュニケーションが取れる大切な場所です。

YouTube の公式ページでも「クリエイターが視聴者と密接に関わった分だけ、視聴者もクリエイターに積極的に関わってくれます。視聴者と交流し、フィードバックに対応することは、チャンネルの成長にとって最も大切です。」と紹介しています。

YouTube では昨年、チャンネル登録者に関係なくコミュニティ機能が使用できるように開放されました。アンケート機能や画像投稿機能などもあり、コメント欄とは異なる形で視聴者との交流ができます。

良い動画を投稿するのはもちろんのこと、どのように視聴者にチャンネルを覚えてもらうのか、どのように視聴者と関わり良い関係を作っていくのかも、チャンネルを伸ばしたり収益を得ていくために大切だと思います。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。