【2025年】変わるYouTube。今知らないと手遅れになるたった1つのこと

【2025年】変わるYouTube。今知らないと手遅れになるたった1つのこと
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2024年12月27日 in YouTube

今回は2025年のYouTubeで伸ばすために、今知っておかないと手遅れになるたった1つのことをお話します。

今、本当に変化が激しく「一寸先は闇」と言っても過言ではありません。実はこのサイト「イズクル」が2024年6月に20周年を迎えました。20年の間にスマホや高速通信の普及など、本当に大きな変化がありました。

その都度、変化に対応せざるを得なかったのですが、今、AIブームによって再び大きな変化が求められています。この変化に対応できなければ、正直どうなるか分からないという危機感を持っています。それは YouTube も例外ではありません。

2024年 YouTube の変化

まず、2024年にあった YouTube の変化や追加された機能について簡単に振り返っていきましょう。

AI 規制

1つ目が YouTube の AI 規制です。AI 生成の画像や映像が YouTube にも数多く投稿されるようになり、視聴者が AI 生成のコンテンツに騙され詐欺に合ってしまう事例も報告されています。

そのような状態に歯止めをかけるための一手段として、AI 生成コンテンツや合成コンテンツが含まれる場合は開示しなければならなくなりました。開示しなかった場合、動画の削除や YouTube パートナー プログラムへの参加停止(収益化停止)など、YouTube によるペナルティが科される可能性があります。

サムネ A/B テスト

2つ目はサムネイルのテストと比較機能です。いわゆる「サムネ A/B テスト」と呼ばれているものですね。3つまでのサムネイルをテストすることができ、視聴時間に基づいてサムネイルの良し悪しが判断されます。

サムネイルに真剣に向き合っているクリエイターにとって、かなり良い機能です。皆さんは今も使用していますか?

ショート動画サムネイルのカスタマイズ

3つ目はショート動画のサムネイルをカスタマイズできるようになったことです。過去に投稿したショート動画に対してもサムネイルをカスタマイズでき、テキストや絵文字、フィルターを追加することができます。

クリエイターの中にはショート動画であってもサムネイルを気にする方がいるため、そのような方にとって嬉しい機能となりました。

ショート動画が3分まで対応

4つ目はショート動画が3分まで投稿できるようになったことです。今まで最大1分までしか投稿できなかったショート動画ですが、1分〜3分までの正方形もしくは縦長の動画がショート動画として認識されるようになりました。今までより長いショート動画なので「ロングショート」と呼ばれています。

ロングショートはまだ YouTube アプリのショート機能を使用して投稿できず、楽曲も付けれないですが、今後アップデートされていくはずです。

自動吹き替え機能

5つ目が、つい先日ご紹介した自動吹き替え機能(オートダビング)です。これは音声を自動で別の言語に吹き替えてくれるもので、AI が活用された機能ですね。

まだすべてのチャンネルで使用できるわけではなく、徐々に使えるチャンネルが増えていくようです。自分のコンテンツを世界中の視聴者に届けられる可能性を秘めている、今後も注目される機能の一つです。

細かいアップデートなどはもっとたくさんありましたが、注目されたものは今ご紹介した5つです。

2025年の YouTube はどうなる?

では、2025年はどのようになるかを考えていきましょう。

AI との関わりと重要なこと

まず、何と言っても AI との関わりは外すことができませんね。YouTube で AI と言ったとき、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?先ほどご紹介した AI 規制を思い浮かべる方もいれば、AI を活用した動画作成、中には AI で稼ぐ系の副業チャンネルや動画を思い浮かべる方もいると思います。

様々な使い方をされている AI ですが、YouTube 側が AI の利用を禁止したり、制限をかけているわけではありません。

むしろ、YouTube の中でも様々な AI ツールが展開されていきます。先程の自動吹き替え機能の他、ショート動画用の背景を AI で作成できる Dream Screen、動画のアイデア出しやタイトル、サムネイルを提案してくれるインスピレーション機能などです。これらは AI を活用することでクリエイターをサポートする機能やツールですね。
YouTube のAI

また外部の AI ツールも進化しています。例えば文章生成・画像生成・動画生成・音楽生成 AI などです。動画編集ツールにも AI が導入されています。

AI を活用すれば、短時間で、ある程度のクオリティの動画を作成できるため、動画が量産されるようになりました。 AI を使い、顔や声を出さない動画も増えています。今はまだそれでも成り立っているチャンネルも多いですが、量産されたコンテンツはどれも似通っていて(というかネタは同じだったりして)視聴者が飽きてきているところがあると思いませんか?

どのようなコンテンツかというのは重要ですが、コンテンツは真似もされますし、他と大きな差を付けるのが難しくなっています。そのような時代だからこそ、「そのコンテンツを誰が責任を持って提供しているのか」が最も重要になります。
コンテンツを誰が責任を持って提供しているのか

例えば同じゲーム実況動画でも、人口音声や AI による機械的なナレーションを付けただけの動画と、ゲーム愛に溢れた実況者が自身の言葉で解説したり、ゲームへの熱い想いを語ったりする動画とでは、視聴者のエンゲージメントは全く異なります。同じコンテンツでも、実況者の個性や情熱といった「人間性」が加わるだけでも視聴者を惹きつけ、ファンコミュニティを形成します

これは、単に顔出しをしているかどうかという問題ではありません。たとえ顔出しをしていなくても、動画を通してクリエイターの人間性、つまり個性、考え方、情熱、誠実さなどが伝わってくるかどうか、という点が重要です。

AI が活用される時代だからこそ、クリエイターの「人間性」がコンテンツの価値を大きく左右すると思いませんか?人間性に乏しいチャンネルが、この先に渡って伸び続けるでしょうか?

YMYL のジャンルでは特に重要

また「誰が責任を持って提供しているのか」は YMYL のジャンルでは特に重要になってくると考えられます。YMYL というのはお金や健康など、人生において重要な話題に関するコンテンツやジャンルをいいます。
YMYL のジャンル

例えば、健康に関する動画であれば、素人がネット上から拾ってきた情報・AI が生成した情報を元に解説する動画と、医師や専門家が自身の経験や知識に基づいて解説する動画とでは、情報の信頼性が全く異なります。特に病気の診断や治療法に関する情報は、生命や人生に大きな影響を与えるため、「誰が」提供しているのかが極めて重要です。

既に YouTube でも健康関連の情報は、専門家や大手ニュースチャンネルが提供している動画が表示されやすくなっていますが、それ以外のジャンル(例えば投資など)でも「誰が」提供しているかが重要になると思います。

Web サイトも運営されている方だとお分かりになると思いますが、Google 検索では既に YMYL の領域に専門家ではない個人が踏み込むのが非常に難しくなっています。

コミュニティの形成と新機能

さらに「コンテンツを誰が責任を持って提供しているのか」はコミュニティを形成する上でも大切です。2025年以降、コミュニティの形成が重要になってきます。

これは先日の動画【今後 YouTube で重要な3つの●●はコレ!Googleサミットに参加して】でもご紹介したので、詳しくはこの動画をご覧いただきたいのですが、YouTube はクリエイターと視聴者とのコミュニケーションなどを機能的にも重視してきています。

特に新機能として注目されているのが「コミュニティズ」です。まだ一部のチャンネルでテスト的に導入されているものですが、クリエイターから情報を投稿するだけでなく、ファンも気軽に情報を投稿できる機能です。

実際に導入されているチャンネルを見てみましょう。こちらは料理系チャンネルで[コミュニティに移動]から入ってみると、クリエイターだけでなくファンも自由に投稿していることがわかります。クリエーターが動画で紹介した料理を、ファンが実際に作ってみて写真を投稿しています。ファン同士も交流できるのが特徴ですね。
 YouTube コミュニティズの導入事例

今までであればコミュニティの場を作りたい場合、Discord のような外部のプラットフォームを使用しなければなりませんでした。これが YouTube 内で作れるようになるのは、クリエイターにとっても視聴者にとってもありがたいことです。

クリエイターは何をすれば良い?

「コンテンツを誰が責任を持って提供しているのか」を視聴者に示し、信頼され繋がりを感じてもらうため、具体的にどのようなことをすればよいのか例を挙げてみます。

  • プロフィール情報を充実させる
    チャンネルの概要欄、説明文を丁寧に書き込みましょう。自己紹介、チャンネルのテーマ、発信する情報についての専門性や経験などを具体的に記述します。
  • 発言の根拠や範囲を明確にする
    動画内で発言したことには責任を持つという姿勢を示しましょう。「個人的な意見ですが」「〇〇という情報に基づいていますが」など、発言の根拠や範囲を明確にすることで、信頼性が高まります。
  • コメント欄などでの交流
    コメント欄で積極的に視聴者と交流しましょう。質問に答えたり、意見に反応したりすることで、親近感が生まれ、コミュニティが形成されます。
  • 顔出し・声出し
    顔出ししなくても、声だけでも出すことが望ましいです。可能であれば、顔出しや実名で活動することで、信頼性が大きく向上します。顔が見えることで、視聴者はより親近感を持ちやすくなります。
  • 専門性や実績を提示する
    関連する資格、経験、実績などがあれば、積極的に公開しましょう。特にYMYL(Your Money or Your Life)ジャンルの場合は、専門性は非常に重要です。
  • 舞台裏や制作過程を公開する
    動画の制作過程、リサーチの様子、撮影の裏側などを公開することで、コンテンツに人間味が加わり、視聴者との距離が縮まります。
  • オフラインイベントや交流の場を作る
    オフラインイベントや交流会などを開催して視聴者と直接会う機会を作り、より強固なコミュニティを形成できます。
  • 継続的な情報発信をする
    何よりも重要なのは、継続的に質の高い情報を提供し続けることです。視聴者からの信頼は、日々の積み重ねによって築かれます。
  • 誠実さ
    嘘をつかない、誤った情報を流さない、欺かないなど、誠実な姿勢を貫くことが、信頼構築の基本です。

今まで以上に、視聴者がクリエイターのことを信頼し繋がりを感じてもらうことが重要になり、その一つの手段として「コンテンツを誰が責任を持って提供しているのか」を意識したチャンネル運営があります。

これができれば、視聴者からの信頼を獲得し、長期的なチャンネルの成長につながるでしょう。特に AI が進化し、誰でも簡単にコンテンツを作成できる時代だからこそ、「誰が」作っているのかが非常に重要な差別化要素となります。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。