【新設定】YouTubeで自分の動画をAIに学習させる?
YouTube で AI 関連の新しい設定が追加されました。その設定は、自分の動画を AIに学習させるかどうかというものです。今回はこの設定方法や背景について、簡潔にご紹介いたします。
YouTube Studio から設定画面を確認する
さっそくですが、設定画面を確認していきましょう。設定はパソコン版の YouTube Studio [設定]>[チャンネル]>[詳細設定]から確認ができます。
[第三者の企業によるトレーニング]の項目にある「第三者の企業が私のチャンネルのコンテンツを使用して AI モデルをトレーニングすることを許可する」にチェックを入れると、自分の動画を AI が学習(トレーニング)するために使われるようになります。
チェックを入れると[選択した第三者の企業のみ]か[すべての第三者の企業]を選択できます。
特定の企業のみ許可したい場合は、ご自身で企業を選択しましょう。Adobe、Amazon、Meta、Apple などの大手企業が多いですね。OpenAI、Runway、Stability AI など AI での有名どころが選択肢に入っています。
ちなみに初期設定ではオフの状態になっています。自分自身でオンにしなければ、第三者に勝手に AI のトレーニングに使われないので安心してください。
また設定はいつでも変更ができますが、変更内容が反映されるまでに最大7日間かかる場合があるので注意してください。
AI のトレーニングとは?
そもそもトレーニングとはなにかですが、すごく簡単に言ってしまえば、あなたの動画が AI の「勉強」に使われます。AI がたくさんの動画を見て学習することで、より賢くなり、 動画の内容や文章をもっと理解できるようになります。他にも動画生成 AI や音楽生成 AI などの参考材料として使われることも考えられます。
設定をオンにするメリットはあるの?
「わざわざ設定をオンにするメリットがあるの?」と思われる方が大半だと思います。結論から言うと、直接的なメリットは、現時点ではほとんどないかもしれません。 「AI 技術の発展に貢献したい」と思われる方や、「AI が発展すれば、結果的に自分もより便利になる」と思われる方はオンにしても良いかもしれません。
「オンにすることで金銭的な報酬が得られるの?」と疑問をお持ちの方もいるでしょうが、現時点でそのような情報はありません。
YouTube が明確にした2つのこと
今回、YouTube 側がこのような設定をクリエイターに公開したことで、2つのことが明確に示されたのが大きいと思います。
まず1つ目は、AI のトレーニングに使わせるかをクリエイターが選択できることです。つまり、自分の動画が勝手に第三者企業に提供され AI にトレーニングされることはないことが明確になりました。
そして2つ目が、YouTube にある動画を不正なダウンロードやスクレイピングをして使用することを禁止していることです。利用規約そのものに変更はなく、以前から YouTube は不正なダウンロードやスクレイピングを許しておらず、勝手に YouTube 内のコンテンツを AI のトレーニングに使うなと外部に改めて示したことになります。
以前から「自分のコンテンツが AI のトレーニングに勝手に使われているのでは?」と話題になることがありましたが、今回の設定を導入したことで、コンテンツの扱われ方が一つクリアになったのではないかと思います。