YouTube にAIの波!Google のイベントに参加して気付いたこと
2023年10月15日から Google のロンドンオフィスで開催されたイベントに招待され、Google や YouTube についての最新情報を学んだり、様々な方と交流・情報交換をしてきました。イベントの内容そのものを直接公開することが禁止されているので、情報交換をしてきたことをベースに、今後の YouTube チャンネル運営で重要だと感じたことを3つご紹介していきます。
投稿はマルチフォーマットへ
昨年は様々なところでショート動画が推されていました。今年の2月からはショート動画でも広告が表示され広告収益を得ることができるようになり、Super Thanks による投げ銭もできるようになりました。ショート動画の機能追加や改善なども日々行われていて、ショート動画を投稿するクリエイターも視聴者も増加しています。
今後もショート動画推しなのは変わらないでしょうが、ポッドキャストやライブ配信など、従来の長尺動画とショート動画以外のフォーマットにも、もっと目を向けても良いのではないかと感じました。
ポッドキャストは今年から追加された機能ですね。概要はこちらの記事でもご紹介しましたが、長尺動画のように収益化できますし、YouTube Music で表示される可能性もあります。まだ日本ではすべての機能が実装されていませんが、今まで以上に多くの視聴者にコンテンツを届けられるかもしれません。
ところで、あなたはどのフォーマットで動画を配信しているでしょうか?例えば「私のチャンネルの視聴者はショート動画を見ないよ」「長尺動画だけで十分だよ」なんて思っていないでしょうか?
実は今、多くの視聴者が長尺動画以外のフォーマットでも視聴をしています。 YouTube Studio アナリティクスの[視聴者]タブを確認してみてください。その中に[視聴者が YouTube で使用した形式]があると思います。
これは、あなたの視聴者が他のチャンネルを含め YouTube でどのフォーマットの動画を視聴しているかを示しています。このグラフであれば、ほぼ全員がショート動画を視聴していて、数多くがライブ配信も視聴していることが分かります。
すべてのクリエイターがマルチフォーマットに対応して動画を投稿する必要はありませんが、「ショート動画なんて見てくれない」「ポッドキャストなんて聞いてくれない」と決めつけてしまうことでチャンスを逃してしまうことも考えられます。
こちらのアルゴリズムの記事でもご紹介しましたが、ショート動画を投稿してチャンネルがおかしくなることはありませんので、その点を気にされている方は安心してください。
ファンの獲得
昨年のイベントの感想動画で「濃いファンを増やしていくことが重要だ」とお伝えしましたが、これは今後もチャンネル運営で重要なことだとあらためて感じました。
特に今年は、チャンネル登録者500人からでも Super Thanks や Super chat、チャンネルメンバーシップ、ショッピング機能による収益化が可能になったのは皆さんご存知のとおりです。これらの収益化手段は広告収益に頼らなくても得られるものですし、チャンネル登録者や視聴回数が少なくても大きな収益を得られる可能性も秘めています。
しかしこれらは広告と異なり視聴者自らお金を支払うものなので、ファンではない人が利用してくれる可能性は低くなりますよね。ファンでない人がメンバーシップに参加してくれたり、チャンネルのグッズを購入してくれることはほぼないでしょう。
クリエイターに求められるのは、ただ良い動画を投稿するだけではありません。YouTube というプラットフォームを通して視聴者と良い関係を築き、コミュニティを形成していくことです。
YouTube はコメントやチャット、コミュニティなどで視聴者と交流できる機能を提供してくれています。あなたを中心とした良いコミュニティを形成できれば、視聴者の満足度はより高まるでしょうし、広告収益以外の収益も得られる可能性が高くなります。
どのように視聴者と関わり良い関係を作っていくのかが、チャンネルを伸ばしたり収益を得ていくために重要なことになってくるでしょう。
YouTube にも AI の波
今年はどのようなサービスでも AI が注目されていますが、YouTube も例外ではありません。既に公表されたものでもいくつかあります。例えばショート動画の背景用に、AI による画像生成・動画生成ができる機能はご存知でしょうか?
この動画の例であれば「コーヒーを飲んでいるパンダ」と指示を入れるだけで、パンダがマグカップを持って飲み物を飲んでいるような動画が生成されています。
AI による動画生成ツールは他社でもありますが、権利的な問題など完全に安心して使えるものは少ないです。もし YouTube のツールで安心して使える動画素材を無料で生成できたらすごいですよね。
他にも AI によって、動画に複数の言語の吹き替えをすばやく簡単に追加できる機能があります。実際にその機能を使用して吹き替えが追加されている動画も公開されていますが、元々話している人とそっくりな声で吹き替えが付いています。
もう一つ、AI によってチャンネル毎にどのようなコンテンツを作成すると良いかアイデアを提案してくれる機能です。一般的な視聴者の話ではなく、自分のチャンネルの視聴者がどのようなことに興味を持っているかを教えてくれ、どのようなコンテンツを作成すると良いかの概要も生成されるようです。
自分自身でたくさんのデータを分析して判断する手間が大幅に減りそうな便利な機能ですよね。例えば、データを分析してどのような動画を作成すべきか判断するのが苦手なクリエイターは多いと思います。でも、難しく面倒で時間がかかるような作業や判断を AI が手助けしてくれれば、クリエイターは有益なコンテンツを作成することに注力できますね。
YouTube はクリエイターが視聴者にとって有益なコンテンツが作成できるよう、今後他にも AI を活用した便利な機能やツールを提供し、クリエイターをサポートしてくれると思います。クリエイターが行うべきことは、視聴者に満足してもらえる動画を作成すること。そして、視聴者と良い関係を作りファンになってもらうことです。
動画内容や見せ方、サムネイルも、他のチャンネルを猿真似しているだけではダメです。あなたの視聴者が求めるもの・満足できるものは何なのかを常に考えながら、一緒にチャンネルを運営を楽しんでいきましょう!