YouTube ショート動画が最長3分に仕様変更!収益化への影響は?

YouTube ショート動画が最長3分に仕様変更!収益化への影響は?
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2024年10月04日 in YouTube

ショート動画に関して大きな仕様変更があります!なんと2024年10月15日から、今まで1分だったショート動画の最長時間が3分に長くなります。収益化についてや、今まで3分以内だった長尺動画の扱いなど注意点がありますので、要点をまとめて簡潔にご紹介いたします。

動画でもご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。

対象となるショート動画の条件

では最初に、仕様変更によりショート動画の対象となる条件などを見ていきましょう。

まず、今までは最長1分までの正方形、もしくは縦長の動画がショート動画として認識されていました。これが、最長3分までの正方形、もしくは縦長の動画がショート動画として認識されるようになります。

この仕様になるのが2024年10月15日からです。10月15日以降にアップロードされた正方形、もしくは縦長の動画がショート動画として扱われます。10月15日より前にアップロードされた縦長動画は通常動画(長尺動画)扱いになります。ちなみに「10月15日」は海外での日時であると思いますので、日本時間だと16日からの可能性が考えられます。ご注意ください。
ショート動画の対象

また、 YouTube 側のシステムが完全に更新されるまで数週間はかかるようです。そのため、1分超〜3分以内のショート動画をアップロードしても、チャンネルページ内の[ショート]エリアには表示されず、通常動画として表示される可能性があります。

さらに注意点ですが、仕様変更直後は YouTube アプリのショート動画作成ツールが対応しておらず、来年初めくらいに3分までの動画がサポートされるようです。現状ではパソコンまたはスマホの YouTube Studio からショート動画をアップロードする必要があります。

ショート動画として認識させたくない

さて、最長3分になることで「3分以内の動画はすべてショート動画扱いになるのか?」と思われる方もいるでしょう。答えは「いいえ」です。3分以内であったとしても、ショート動画の条件である「正方形、もしくは縦長」になっていなければ通常動画として扱われます。

つまり、ショート動画として扱われたくない場合は、いわゆる横長の動画(アスペクト比 16:9 など)にすれば今まで通り通常動画扱いになります。

広告収入の違い

次は広告収入について見ていきましょう。ショート動画として認識された3分以内の動画でも広告収益を得ることができます。しかし、通常動画のように動画ごとに広告が表示されるわけではありません。今までショート動画で受け取れたのと同様に、ショート広告の収益配分の対象となります。つまり、収益性は通常動画よりも遥かに低いです。

ジャンルによって幅がありますが、通常動画であれば1,000再生あたり200円〜1000円程度の収益性があります。しかしショート動画は1,000再生あたり10円〜30円程度しかありません。
ショート動画の収益性

ショート動画はショートフィードに表示されることで、通常動画よりも視聴回数が増えやすいという特徴がありますが「大きな収益を得るためにショート動画が有効か」と言われれば、そうではないことの方が多いです。

今でも、ショート動画は多くの人にチャンネルを知ってもらうための「きっかけ作り」として活用されている方は多いですね。それは最長3分になったとしても変わらないのではないかと思います。

収益化基準(YPP参加)への影響

次は YouTube パートナープログラムに参加するための収益化基準への影響を見ていきます。

現在、収益化基準は「チャンネル登録者500人 + 過去1年間の総再生時間が3000時間以上」、もしくは「チャンネル登録者500人 + 過去 90 日間のショート動画の視聴回数が300万回以上」のいずれかをクリアすることです。
チャンネル登録者500人と条件

広告収入を得るための基準は「チャンネル登録者1,000人 + 過去1年間の総再生時間4,000時間」、もしくは「チャンネル登録者1,000人 + 過去90日間のショート動画の総再生回数1,000万回」です。
YPP基準

この基準は今後も何も変わりません。

「3分以内のショート動画」として扱われた場合は「過去90日間のショート動画の総再生回数」としてカウントされます。つまり、今までと同様にショート動画は収益化基準の「総再生時間」には含まれないのでご注意ください。

楽曲等を使用する場合の注意点

YouTube アプリのショートカメラから投稿ができないため、アーティストの楽曲に関しては使用ができません。1分を超えるショート動画において、楽曲などを使用して Content ID に検知されると全世界の YouTube でブロックされます。ブロックされれば YouTube のおすすめに表示されず収益化の対象外となってしまうので注意が必要です。

今回の変更についてどう感じたでしょうか?クリエイターの選択肢が増えるという点もありますが、ショート動画にすれば必ず視聴回数が増えるわけではありませんし、しっかり見てもらえるとは限りません。ショート動画は通常動画よりも簡単に他の動画に移動できてしまいますので、視聴者を飽きさせない工夫ができるかが重要だと思います。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。