Google金谷氏講演「愛情や時間をかけたページが良いコンテンツとは限らない」
愛知県名古屋市で行われたイベント『Google 検索の基本2019』(2019.1.22)に参加してきました。講演は Google の検索エヴァンジェリストである金谷武明さんです。検索関連のイベントやウェブマスターオフィスアワーなどではお馴染みですよね。
講演内容はイベントのタイトル『Google 検索の基本2019』の通り、SEO や検索に関する基本的な内容がベースでした。普段から SEO に関する情報収集を常に行っているような方にとっては「知っているよ」という内容が多かったのではないかと思います。
ただ、検索の基本的な内容を改めて聞くことで新しい気付きや今後の Web サイト運営に活かしていきたいと感じたことも多くありました。このページでは講演内容で重要だと感じた部分を中心に、情報をまとめてご紹介していきたいと思います。
Google 検索 3 つのポイント
最初から講演内容の結論的なお話でした。Google 検索で重要なこととして3つのポイントを紹介されていました。
- ユーザーのために良いコンテンツを作る。
- それを Google に伝える。(Search Console を使い・確認する)
- モバイル(スマホでの最適化)に取り組む。
「良いコンテンツを作る」とか「スマホに最適化する」という話は何度も聞いたことがあるかもしれません。金谷さんもウェブマスターオフィスアワー等でも何度もお話されています。それだけ重要だということですね。
ユーザー目線になっているか
参加者の方の声や質問内容を聞いていて「検索結果で上位表示するためにどうしたらよいか」と考えている人が多いと感じました。自分の Web サイトがより上位に表示させたいという気持ちは分かります。ただ「まずは本当にユーザーが求めるコンテンツを提供できているのか」を検証すべきではないかと思います。
講演の中で金谷さんも「コンテンツが魅力的でないのに1位を取ろうとすることは根本的に間違っている」という内容をお話されていました。Google はユーザーが求めている情報(サイト)を検索結果に表示させようとしているわけですから、ユーザーのために良いコンテンツを作ることは非常に重要なことです。
またお話の中で印象的だったのが「愛情を込めたページ、時間をかけたページが良いコンテンツとは限らない」という内容です。
コンテンツ制作者としては、たくさんの愛情を込めたページや長い時間をかけて作成したページが上位表示されたいという気持ちはよく分かります。愛情と時間をかけた分だけ多くの人に見てもらいたいですから、より上位に表示されたいですよね。
ただ、たくさんの愛情を込めようと長い時間をかけようと、それがユーザーにとって良いコンテンツだとは限りません。愛情は込めてもユーザーにとって必要なものでなければ意味がありません。時間をかけても情報が分かりにくかったり、不必要なものが多ければ良いコンテンツだとは言えません。
検索順位が良くないのであれば、「本当にユーザーが求めているコンテンツになっているか」「自己を満足させるだけのコンテンツになっていないか」など、コンテンツを見直してみる必要があるのではないでしょうか。
良いコンテンツに独自性はあるか
「一次情報は今後重要か」という質問の返答として「一次情報は過去も今も将来も重要」というお話が少しありました。今回の講演では一次情報についてや独自性などについての詳細はありませんでしたが、私自信が重要だと思っているので少し触れたいと思います。
「良いコンテンツを作りましょう」と伝えても、それらの情報やコンテンツに独自性がないケースをよく目にします。極端に言うとパクリコンテンツです。
ユーザーが求めている良いコンテンツであったとしても、それが他人のコンテンツをパクったり流用するだけのものでは価値あるコンテンツだとは言えません。この辺りに関しては下記ページで記載しておりますのでご覧いただければ幸いです。
人為的なリンクはダメ!
ウェブマスター向けガイドラインをしっかりと読んだことがあるでしょうか?このガイドラインには、どのようなことをしてはダメかなどが記載されており、Web サイトを運営されているのであれば必ず目を通すべき内容です。
その中に「リンクスパム」というものがあります。簡単に言ってしまうと、お金を払って被リンクを購入する行為です。残念なことに、未だにリンクを売っている悪い SEO 業者が存在します。私のクライアントにもセールスの電話がかかってきたり、営業マンが訪問してきたりしています。
人為的なリンクは Google で検知され無効にしているため、どれだけ被リンクを購入しても意味が無いとお話をされていました。つまりお金を支払うだけで順位は上がらず、ガイドライン違反によって順位が下がったり検索結果に表示されなくなるリスクもあり、良いことは何もありません。
「Google アルゴリズムに対応しています。」「価値あるサテライトサイトからのリンクはガイドラインに違反しません!」「これは安全なリンクです」というセールストークをする業者がいるようです。しかし、どのようなリンクであってもお金を支払うような人為的なものであればガイドライン違反になります。
Search Console の活用
アクセス解析として有名な Google アナリティクスを使用されていても、まだ Search Console(サーチコンソール)を使用されていない方もいると思います。アクセス解析はサイトにユーザーが訪れた過去のデータを分析するのに役立ちますが、Search Console はユーザーが訪れていない場合でも情報を得ることができるツールです。
またガイドライン違反をしてしまい手動対策を受けた場合であれば、Search Console 上で通知を受け取ることが可能です。違反していることが分かれば修正をして再審査をリクエストすることもできます。
再審査リクエストを行う際は下記の3つのポイントが重要だとお話がありました。
- メッセージをよく読み、違反していると書かれている内容を修正する。
- 再審査リクエストに「なぜ違反が発生したのか」「どのような修正を行ったか」「今度どのように違反を防ぐのか」という内容を簡潔にまとめる。
- 否認ツールを使う前に不自然なリンクを取り除くよう努める。
検索パフォーマンスで PC とモバイルを分けて検証する
Search Console で検索パフォーマンスを分析する場合のヒントとして、PC とモバイルのデータを分けて検証しようというお話がありました。レスポンシブウェブデザインのサイトなど PC とモバイルで URL が同じ場合、検索パフォーマンスで表示されるデータは PC とモバイルが合算されています。
PC とモバイルでは検索パフォーマンスが大きく異なることもあるため、より正確なデータを知るためには PC とモバイルを分けてみましょう。Search Console の[検索パフォーマンス]で[+新規]>[端末]>[比較]を選択してみてください。
講演ではその他にも、サイトのハッキングされないために最低限「簡単なパスワードを使わない」「CMSを最新に保つ」ということや、ページ表示スピードが遅くならないように気をつけることなどの内容がありました。検索関連の情報はイベントに限らず、下記からも収集することが可能です。今後も情報を得ていきたい方はぜひ下記をチェックしてみてください。