Webデザイナーは儲からない!サイトが作れるだけではやっていけないWeb業界
未だに「あなたもWebデザイナーになって手に職をつけよう!」という内容のキャッチフレーズを見かけます。専門学校やパソコンスクール、オンライン学習などでWebデザイナーになることを勧めるところが多く、「私でもWebデザイナーになれるかも」「Webサイトが作れれば就職に困らないかも」「Webデザイナーなら個人事業としてやっていけるかも」と期待してしまう方がたくさんいます。
でもちょっと待って下さい。
私は、Webデザイナーになることをお勧めしません。
儲からないWebデザイナー
Webサイトの見た目(デザイン)を扱う方だけをWebデザイナーと呼ぶことがありますが、ここで言う「Webデザイナー」はデザインを扱う人を含め「Webサイトを作る人」という前提でお話していきます。「Web業者」や「Web屋」とも呼ばれていますね。
まず最初に、なぜWebデザイナーをお勧めしないかと言うと、
Webサイト制作の単価は年々激的に下がっていることがあります。
パソコンスクール等のチラシで「Webサイト制作単価は平均40万円!」「一件のサイト制作で学習費用の元が取れる!」というものを見たことがあります。あなたも一度は「Webデザイナーって稼げるのかも」と感じるようなキャッチフレーズを見たことがあるのではないでしょうか?
しかし残念ながら、Webサイトの制作費用は劇的に安くなっています。一件のサイト制作で30万円ですら出してくれる企業は少なくなりました。また既に企業はWebサイトを持っているので、リニューアルを行う場合や商品のキャンペーンページを制作する場合くらいしかWebデザイナーに用はありません。
私は10年以上前からWebサイト制作に関わり仕事にしていますが、10年前ですら単価が安く「サイト制作だけでは収益を上げ続けるのは難しくなるだろう」と業界の人と話していました。
昔であればHTMLとCSSで作成するだけの簡単な制作依頼が多く、複雑なWebサイト制作は少なかったです。しかし今は、WordPress等のシステム化されたWebサイトが求められるので、HTML・CSSだけでなくPHPやJavascriptなど必要な技術・知識が多くなりました。
今見ればしょぼいと思うようなサイトでも、昔は数百万円で受注出来た時代があったようです。しかし今は、クオリティも高くてシステム化されたWebサイトであっても、月数千円程度で作成してもらうことが可能です。一般的なテンプレートを使用すれば無料で作れる時代なのです。
まともな仕事を獲得することが難しい
Webデザイナーをお勧めしない理由は、単価が下がっていることだけではありません。まともな仕事を獲得することが難しくなっていることもあります。
当たり前の話ですが、Webサイトを作れるようになっても仕事を獲得しなければお金になりません。あなたがWebサイトを作れるようになったとして、どのように仕事を獲得するつもりですか?Webサイトから募集したりSNSでアピールすれば仕事がとれると思っていませんか?残念ながらそんな簡単に仕事はとれません。WebサイトやSNSでアピールすることくらい、どのWeb業者でもやっているのでライバルばかり。実績や実力が付いていない方であればさらに仕事を獲得するのは難しいのが現実です。
そして、クライアント(お客様)もインターネットでWebサイトについて調べて知識を持っている方が多くなっています。それが正しい知識であれば良いのですが、巷で噂になっているような不確実な情報や間違った情報をベースにサイトを作ってくれと依頼されることも少なくありません。クライアントは自分で調べたことが正しいと思い込んでいる場合も多いので、それを訂正するだけでも手間がかかります。
またインターネットで検索するだけで、様々なWeb業者の制作価格を簡単に比較できるので、「あそこの業者は◯◯円だったから、それ以下でやってくれ」と受注が決まってから値下げ要求をしてくる方もいます。「ちょっと文字を変えるだけだから/画像を差し替えるだけだからタダで良いのよね?」という方、「やっぱりデザインを変えて!(もちろんタダで)」という方も多く、お金にならない仕事が増えることもあるのです。
もちろん無理な要求であれば断ったり対価を要求すればよいのですが、それを許さないモンスタークライアントもいます・・・。
それでもWebデザイナーになりたいのなら
ここまでWebデザイナーをお勧めしない理由を書いてきましたが、それでも「Webサイトを作るのが好き!」「Web業界に興味がある」というのであれば、単純にWebサイトが作れるだけのWebデザイナーにならないでください。
サイトを作るだけであれば無料ブログサイトを利用するだけで、誰でも簡単に制作が可能です。凝ったサイトであっても安価で作ってもらうことができる時代です。今大切なことは、Webサイトが作れることでは無いと私は思います。
「Webサイトをどのように運営し、それを収益につなげるにはどうしたら良いのか」
これを考えアドバイスができるWebデザイナーが求められているのではないでしょうか。
クライアントが求めるものはWebサイトそのものではありません。そのWebサイトから得られるモノ(売上アップや見込み客の増加など)に期待しているのです。それをサポートできる人こそ必要とされています。
クライアントから求められるWebデザイナーになるために
Webサイトを運営することでクライアントが期待するものを提供できるようになるには、自分自身がWebサイトを運営した経験がなければ難しいでしょう。
今はインターネットでも書籍でも、運営に関する情報を得ることができます。しかし自分が実践してきたことに勝るものはありません。なので・・・
あなたもWebサイトを運営し、どうやったらアクセスが上がるのか、収益を得られるのかなどを実践してください!
もしまだWebサイトが作れないというのであれあば、無料のブログサービスを利用してでも構いません。無料のブログサービスであっても少しずつデザインをカスタマイズしたり、独自ドメインを取得してみたりと徐々にレベルを上げてみてください。いま企業でもブログを積極的に活用しようとしているので、ブログ運営のスキルアップと知識向上にも役立ちます。もしこれすらできなければ、残念ながらWebデザイナーには向いていないと思います。
Webサイトを作る知識や技術は大変役立つものですが、いまWebデザイナーは楽にお金を稼げる職業ではありません。ライバルもたくさんいます。Webサイト制作だけを仕事にすると考えるよりも、ご自身のWebサイト(ブログ含め)を持ち広告収入を得たり、その経験を活かしクライアントにアドバイスを行う方が私はお勧めです。